使い勝手の良い広告写真とは…

ウチはデザイン事務所なので、企業様や店舗様向けのイメージ広告のための商業写真を撮影したり、あるいはそれを含めた広告物を制作したりすることがあるのですが…
今回は、そうしたもの、つまり広告として“使い勝手の良い”写真とはどんなものなのか、そのノウハウの一部をコッソリお教えしたいと思います。
 
 
では、まずはこの写真をご覧下さい。。。
 
   ↓  ↓  ↓
 

〔転用禁止〕

 
 
この写真は先日の撮影会の合間に撮ったものなのですが、、、
 
たとえば、この写真を 『作品』 としての見地だけで見てみると、大した価値はないものかもしれません。
しかし、広告写真としての見地で見た場合には、かなり使い勝手の良い写真だと言えるでしょう。
 
では、なぜそう言えるのか―
幾つかの欠かせないポイントがあるのですが、ここではその一点だけをご紹介したいと思います。
 
 
 
通常、イメージ広告で写真が使われる場合のことを考えてみて下さい。
そのほとんどは、メーカーロゴブランドロゴキャッチコピー商品説明文などが重ねられています。
実際、写真単体だけで何もロゴや文字の入っていない広告など、ほとんど存在しないに等しいでしょう。
想像に難くないと思いますが、背景がやたらとゴチャゴチャしているような写真に、ロゴや文章などを重ねてレイアウトしていこうとすると、見る人にインパクトを与えつつ、しかも判読しやすい広告に仕上げるのは非常に困難を極めるわけです。
そういう写真を、俗に『デザイナー泣かせの写真』と言います。
しかし逆に、この上の写真のように、『背景空間』の部分が大きくてシンプル、しかも色数も少ないということであれば、広告デザイナーにとっては非常に使い勝手が良い写真、となるわけです。
 
それで、こうした規準、つまりその『素材としての扱いやすさ』こそが、広告写真としての価値を決める大きなポイントの一つと言えるんですね。。。
 
 
但し、誤解のないように一応申し上げておきますが…
世の中の全ての広告写真(あるいは商業写真)にこの法則が当てはまるかというと、決してそんなことはありません。
たとえば同じ広告写真の中でも、いわゆる『商品写真』のような類のものは、もっと直接的、中心的、具体的な役割を担っていると言えるでしょう。
それに、ここで取り上げたポイントは、数多くある広告写真におけるノウハウのごく一部に過ぎません。
それでも、ことイメージ広告用途に限って言えば、そこで用いられる写真が果たすべき『役割』は、あくまでも広告主が伝えたいメッセージという主役を引き立てる『脇役』である、という事実に変わりはないのです。
 
 
 
 
このように、写真というものは単に『作品』としての評価だけでは表わせない、異なった価値観が存在します。
当写真塾に通っておられる受講生の中にも、パンフレットやホームページなどをご自分で作ってみたいという方がいらっしゃいますが、そうした時に使いやすい写真は いわゆる“作品然”としたものよりも むしろ“広告写真的”なものの方でしょうから、今回の記事も少し参考にしていただければと思います。
 
 
今後、ご要望があればこうした内容についても特別授業などで少しずつ扱っていこうかな……などと考えております。
また皆さんからのご意見もお待ちしております。

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  • コメント (2)
    • 置田(娘)
    • 2010年 7月1日

    こんばんは^^
    会社でチラシ作製をお願いされたりするのですが、まったくのDO初心者なうえに、デザインのことを教えてくれる人もいないので、なるほどなぁとすごく勉強になりました!ふむふむ!!主体をどこにもっていくのかが重要なんですねー!私がつくると、いつもごたごたした、騒がしいチラシになってしまうので次参考にしてみたいとおもいます^^wありがとうございます!

  1. @置田(娘)さん
    広告印刷物は、まずは誰を対象にしたものにするかというコンセプトをハッキリさせることが土台となりますので、写真やフォント、レイアウトなどはそうしたコンセプトが固まってから順に構想を固めていく必要がありますね。。。
    置田(娘)さん は写真でも優れたセンスをお持ちですので、一からデザインの基本を学ばれると上達も早いのではないかと思います。
    またいつでもご相談下さいね(^-^)

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